2016年09月29日
①アトピー性皮膚炎とはどんな病気?
痒みのある湿疹が,慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気。
慢性的とは,1歳未満は2か月以上,1歳以上は6か月以上継続している状態。
アトピー性皮膚炎の主な症状で皮膚がゴアゴア盛り上がっている苔癬化したものは程度が重い。
②アトピー性皮膚炎の原因は?
皮膚のバリア機能の低下によって起きる。皮膚のバリア機能は外部の異物の侵入を防いだり,潤いを保ってくれる働きのことである。この機能が低下するとアレルゲンが入りやすい→炎症が起こりやすい→かゆくなる。アトピー性皮膚炎の悪化要因は黄色ブドウ球菌やダニやカビ・汗・ペット・食事バランス・生活リズムの乱れ・ストレス等である。悪化要因が積み重なり, 堤防を破壊して洪水になっているイメージである。
③アトピー性皮膚炎の治療は?
薬物療法・スキンケア・悪化要因の対策が3本柱である。この中の柱が1本かけてもうまくいかない。まんべんなく整える必要がある。
④スキンケアをする石鹸はどのような物を選べばいい?
刺激は少ないほうが良いので,添加物の少ないもの,皮膚と同じ弱酸性のもののほうがよいでしょう。
⑤保湿剤に加えて,日焼け止めや虫除けスプレーを使いたいときはどんな順番で?
1.保湿剤
2.日焼け止め
3.虫除けスプレーの順番で。
皮膚がかぶれたりしないかどうか確かめて使用し,使用後はしっかりと落としましょう。
⑥塗り薬について
リアクティブ療法(悪化した時だけ塗る療法)とプロアクティブ療法(前もって行動する。落ち着いてしまった後でも行う)プロアクティブ療法の利点は再発しにくい・良い状態をキープできる・悪くなっても早めに対処できる。
⑦アトピー性皮膚炎はよくなる?
乳幼児期に発症したアトピー性皮膚炎は,適切な薬物療法やスキンケア―等が行われれば小学校入学までに寛解する。
⑧アレルギーはアレルゲンに対する免疫の異常が原因と考えられていたが?
新しい説として皮膚のバリア機能障害があると皮膚からアレルゲンが侵入しやすくなり,アレルギーになるのではないか?という説が出てきている。
⑨二重抗原曝露仮説とは?
経皮曝露と経口曝露がある。
⑩しっかり保湿剤を塗るとアトピー性皮膚炎の予防になる?
毎日保湿剤を塗ることで,アトピー性皮膚炎の発症率が34%に低下したという実験結果がある。
⑪除去食のポイントとは?
1.必要最小限の原因食物の除去をする。
2.不足する栄養素は必ず代替品で補充する。
3.管理栄養士の栄養指導を受ける。管理栄養士は食物除去で不足しがちな成長栄養素を補う工夫・原因食物を使わないで作るレシピ・簡単に入手できる代替品・低アレルゲン食品などの情報や加工食品のアレルギー表示の見方など,食物に対する正しい専門知識や情報を提供してくれる。
⑫小麦アレルギーで気をつけたい食品について
麸は小麦アレルギーのある人は食べてはいけない。グルテンの塊である。基本的に除去する必要のない物は醤油である。
⑬食物アレルギー対応に有用なホームページは?